東京工業大学 工学部 情報工学科

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東京工業大学 工学部について

東工大は東大や京大の受験者の第二志望となる大学で,レベルはかなり高いと思います.毎年受験者は100人前後で,30人ほどが合格しています.受験する人は全国の高専の優秀な人たちばかりだと思うので,そのような人たちに負けないような努力が必要です.学校の成績はあまり考慮されず,合格するかどうかは当日の試験で決まると言われています.また,全体で6割以上をとれば合格するという話をよく聞きますが,真相は不明です.

今年は試験日が例年より1週間ほど早くなりました.複数の旧帝大の試験日と重なってしまっていたので.それらの大学を併願しようと考えている人は試験日に注意が必要です.

 

対策法

東工大の試験科目は英語・数学・物理・化学の4科目です.面接もあります.

数学は毎年基本的な問題が多く簡単ですが,それ以外は難易度が高く力を入れて勉強しないと高得点は狙えないと思います.特に化学は大学化学が中心に出題されるので非化学系にとっては非常に大変です.

英語

例年長文が2つあり,それらに関する英訳,日本語訳,T/F問題,並べ替え,類義語選択問題,英作文などのオーソドックスな問題があります.難しい単語が多く,文章量もA4で3〜4枚と比較的多いため,時間内に解き切るには正確な速読力と単語力を鍛える必要があります.

数学

出題分野は微分積分線形代数です.毎年大問が4つあり,基本的な問題が多く傾向もあまり変わらないため対策は容易です.

微分積分極値,重積分が,線形代数は連立一次方程式の解の導出,固有値や対角化などが中心に出題されています.線形代数に関しては行列の文字の値による場合分けの問題が頻繁に出題されているので,過去問特訓などに掲載されている過去問で解法を身につけておくといいと思います.

10年くらい前は線形空間も出題されていましたが,最近は出題されていません.ひょっこり復活する可能性もあるので一応やっておくと安心かもしれません.

物理

出題分野は力学・電磁気・熱力学・波動です.例年大問は3つで,1,2は力学と電磁気で,3が熱力学か波動のどちらかになります.基本的には参考書で見たことのあるような問題が多いですが,少し発展させたような問題を出題してくることがしばしばあります.基礎を固め,設定が複雑な問題が来ても本質をえぐり出せるようにしておくと高得点を狙えると思います.

化学

出題分野は有機化学・物理化学・無機化学で,内容はがっつり大学化学です.ですので,1・2年でやった高校化学を復習してもあんまり点は取れません.かといって高校化学の知識なしに大学化学をすんなりと理解できるかというと個人的には難しいと思います.従って,対策法としては高校化学を一通りやった後で大学化学を勉強するという流れになります.大学受験用の参考書で高校化学を身につけた後,大学化学の参考書に手を出して過去問を解けるようにするという感じです.

化学系の友人がいる場合は積極的に頼るべきです.僕は過去問の解答を教えてもらったり,参考書を読むだけではわからない部分を尋ねたりなど頼りまくりました.専門でやっているだけあって知識量は圧倒的で,不明点をわかりやすく解説してくれると思います.

 

試験の詳細

英語

【1】高齢化社会の話

【2】想像力を鍛える話

英訳,日本語訳,T/F問題,並べ替え,類義語選択問題,英作文などの例年通りの問題でした.感触としては7割くらいですが記号問題で間違えてるとガクンと下がりそうです.

 

数学

【1】文字p,qを含む3元連立1次方程式が解を持たないの時の点(p,q)がpq平面で動き得る範囲の図示

係数行列が正則でない時(行列式の値が0になる時)を考えて計算を進めていけばpとqの関係式が出てきて解けます.

【2】対角化

(1)3次正方行列を対角化する正則行列の導出

(2)3次正方行列のn乗の導出

非常に簡単な問題でした.解法通りに解くだけです.

【3】負でない実数を含む関数の極値の導出

実数の値の場合分けに注意して解いていけば解けます.

【4】積分領域に正の実数を含む重積分

積分領域が円の基本的な重積分です.極座標変換して解くだけです.

【1】の計算に少し手間取った以外は例年通りの容易な問題でした.8割〜9割くらいの出来だと思います.

 

物理

【1】力学(半円形をした台の上を転がる円柱の運動)

〔A〕台が床に固定されている場合

(1)円柱の重心と半円の中心を結ぶ直線が鉛直方向となす角θと円柱の回転の角度Φそれぞれの微小変化の関係の導出

(2)円柱の回転に関する慣性モーメントの導出

(3)円柱の重心の移動の運動方程式と円柱の回転の運動方程式の導出

(4)台の上での円柱の微小振動の周期の導出

〔B〕床の上で台が等速直線運動している場合

(5)円柱が台の上で静止しているときの円柱の重心位置を表すθの導出

(6)台の上での円柱の微小振動の周期の導出

円柱が半円形の台を転がる問題で,〔B〕は慣性力を考える必要があります.円柱の回転に関しては水平面を転がる問題しか解いたことがありませんでしたが,円柱に加わる力と円柱の回転距離が分かれば解ける問題でした.

【2】電磁気(半径,単位長さ当たりの巻き数がそれぞれ異なる2つのコイルが中心軸が等しくなるように置かれている問題)

〔A〕半径a,単位長さ当たりの巻き数n1のソレノイド1と,半径3a,単位長さ当たりの巻き数n2のソレノイド2の中心軸が等しくなるように置かれており,ソレノイド2の両端が解放されている場合

(1)ソレノイド1に電流を流している時にソレノイド1の内側にできる磁場の導出

(2)ソレノイド1に流れる電流を変化させている時にソレノイド2に発生する誘導起電力の導出

〔B〕ソレノイド2の両端が短絡されている場合

(3)ソレノイド1に流れる電流を変化させている時にソレノイド1に発生する誘導起電力の導出

〔C〕両ソレノイドに等しい電流が流れているときにソレノイドの中央を横切るx-y平面上を荷電粒子が運動する場合

(4)荷電粒子のx,y方向の運動方程式の導出

(5)荷電粒子がサイクロトロン運動をしているときの速さの導出

(6)(5)の状態から電流を一定の割合で増やし始めたときに荷電粒子に働く誘導磁場の導出

(7)(5)の状態から電流をゆっくり増加させ,サイクロトロン半径を一定に保ったまま荷電粒子の速さを加速させることができるときのソレノイドの巻き数の比の導出

初めて見る問題で,解放や短絡という言葉の意味を正しく理解していなかったため苦戦しました.後半の荷電粒子の運動に関しては解くことができましたが,前半の問題は自信がありません.試験後に他の受験者に出来を尋ねると,皆口を揃えて難しかった(電気科の人も)と言っていたので設定がかなり難しめの問題だったようです.

【3】熱力学(1モルの理想気体に関する問題)

(1)等温過程で気体が膨張するときの仕事,熱量,内部エネルギーの変化の導出

(2)ポアソンの関係式の証明

(3)断熱過程で気体が膨張するときの仕事,熱量,内部エネルギーの変化の導出

(4)カルノーサイクルの効率の導出

参考書でよく見るような定番の問題でした.そこそこ解けたと思います.

電磁気が難しかったので,全体としては6割くらいだと思います.

 

化学

【1】電気化学

ネルンストの式,ダニエル電池の反応式・起電力などに関する穴埋め

【2】無機化学

(a)濃硝酸・希硝酸・亜硝酸アンモニウム・塩化アンモニウムの化学式の記述

(b)反応物と生成物に含まれる窒素原子の酸化数の比較に関する問題

(c)4種類の反応において発生した気体の物質量が最も小さいものの導出

(d)5つの選択肢から誤りを含むものの選択問題

高校化学の無機化学の知識があれば解ける問題だと思います.僕はあまり勉強していなかったのでよくわかりませんでした.

【3】凝固点降下

(a)CH3COOH,C2H5OH,Na2SO4,KNO3それぞれ0.01molを1kgの水に溶解させ出来た水溶液の凝固点の導出

(b)ショ糖を水に溶解させた時,凝固点が水に比べて何K下がるかの導出

(c)CuSO4・5H2Oを水に溶解させた時,凝固点が水に比べて何K下がるかの導出

(d)ベンゼンに有機化合物Aを溶解させたときの凝固点降下がわかっている時,Aを選択肢から選ぶ問題

【4】反応速度論

(a)化学反応式の係数の導出

(b)化学反応の正反応の速度の導出

(c)逆反応の速度の導出

(d)平衡定数Kの導出

例年は大学化学レベルの反応速度論が出題されていますが,今年は高校レベルの知識で解ける問題でした.

【5】有機化学1

(a)炭酸イオンの炭素と酸素間の結合距離が全て等しいことの共鳴構造に基づく説明

(b)C6H12の分子式を持つ立体異性体A,Bの導出

(c)反応の主生成物の導出

マクマリーに載っているような一般的な問題でした.

【6】有機化学2

(a)反応に関する問題(反応機構の説明・構造式の導出)

(b)アニリンがシクロヘキシルアミンよりも塩基性が低いことの説明

(c)安息香酸がシクロヘキサンカルボン酸よりも酸性が高いことの説明

(a)は【5】と同様マクマリーに載っているような問題で,(b)と(c)に関しては共鳴構造を理解していれば5秒で解ける問題でした.

今年は少し傾向が変わっており,電気化学や無機化学に苦戦しました.量子化学が出題されていればもう少し解けたかなと思います.全体としては6割〜7割くらいだと思います.

 

面接

志望学科の先生3人に10分ほど質問されます.最初に自己紹介をした後,試験の個人的な出来,志望動機,志望動機の掘り下げ,現在やっている研究,学校での成績,TOEICの点数などについて尋ねられました.

研究についてかなり詳しく突っ込まれ,「その研究ってそのやり方でやる必要あるの?」的なことを言われましたが,適当にごまかしました.

特に威圧的な感じはなく,淡々と進みました.面接は合否にあまり関係しないようですが.

 

合否

合格しました.第一志望だったので合格した時は本当に嬉しかったです.

 

成績

開示次第追加します.